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リーディングスキルテスト

 1月13日(木),6年生がリーディングスキルテストを受検しました。

 この,聞き慣れないリーディングスキルテストとは,簡単に言うと読解力を測るテストです。

 読解力というと,国語の学習を思い浮かべる方も多いでしょうがちょっと違います。

 写真をご覧いただくと,何やらタブレットで遊んでいるようにしか見えないかもしれませんが,実はこれ,超難解な問題なのです。例えばこんな問題です。

以下の文を読みなさい。

「AIを含む情報処理技術の進歩により,記憶や検索についてはすでにコンピュータが人間を凌駕している。」

上記の文が表す内容と以下の文が表す内容は同じか。「同じです」「異なる」のうちから答えなさい。

「コンピュータの情報処理能力は,AIの誕生により飛躍的に向上し,既に人間を大きく超えるようになった。」

 6つのカテゴリーに分けられたこのようなややこしい問題が,約40分間,延々と続きます。ちなみにこの問題は教頭が自作した問題です。子ども達が受けた問題は,著作権があり,お見せすることはできませんが,大人の目から見ても相当に難しい問題が「これでもか!」というくらい出題されます。

 最近では,一般企業が社員のスキルアップを目的に,このリーディングスキルテストを受検させているそうです。「大人になったのだから,もう勉強はしたくない。」と思ってしまいますが,今の世の中,死ぬまで勉強しなければならないのかもしれません。

 ちなみにこの問題の答えは「異なる」です。上の文では,「記憶や検索」という分野でコンピュータが人間を凌駕していると言っていますが,下の文にあるように,すべての情報処理能力で人間を超えたとは言っていないからです。

 実は先日,宅配業者に荷物の集荷をお願いしようと電話を掛けたら,対応してくれたのは,驚いたことにAIでした。今,私たちの生活の様々な場面にAIが入り込んできています。このリーディングスキルテストの開発者である新井紀子氏は「日本でも,近い将来,働く人々の約半数が,少なくとも今の仕事を失ってしまう危機に晒される」と言っています。産業ロボットの進歩により,工場から人が姿を消すことにとどまらず,銀行の融資担当もAIが取って代わることになるそうです。銀行から人が姿を消す日もそう遠くはないのかもしれません。今目の前にいる子ども達の未来はいったいどうなってしまうのでしょう。

 そんな子ども達の未来を案じて我々が始めたのが,このリーディングスキルテストです。読解力の向上が,子ども達の未来にどう役立つのか,また別の機会にお伝えできればと思います。